私は41歳の無職です。勤め先をうつ病で休職し、休職期間満了となり退職しました。退職後も体調が悪く、外出もほとんど出来ませんでした。
無職になってから10ヶ月経ち、今は就労移行支援に通っています。
この記事では、うつ病で無職になった41歳の私が就労移行支援に通所する理由をまとめました。
就労移行支援に通うまでの経緯
会社を退職して間もない頃は体調も悪く、無職になってしまったむなしさを感じながら、ほとんどの時間を布団のなかで過ごしていました。
家から出るのは通院の時だけ、という状態。半年近く引きこもってしまいました。
病院のデイケア、リワークに通う
体調が少し落ち着いてきたある日、主治医から「デイケア」、「リワーク」に参加してはと提案をもらいました。
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「デイケア」は、生活リズムを元に戻すための活動をイメージしてもらうと分かりやすいです。日中に病院に行き、他の利用者さんと一緒に活動します。
「リワーク」は、休職されている方が復職するための活動で、自分の病状や会社への要望など復職面談に向けて準備をします。
どちらも、カウンセラーさんから講義を受けたり、他の利用者さんとグループワークやレクレーションをしたりしました。
私の通っていた病院が電車で1時間の場所だったこともあり、交通費の負担が大きかったです。
一方で、他の利用者さんと交流することで少し気が楽になる、という面は良かったと思います。
リワークに行くのが嫌になる
体力も少しずつ回復してきたころ、リワークのプログラムで「復職面談」の模擬訓練がありました。
周りの利用者さんは全員が休職者。無職なのは私だけでした。
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みんなが復職に向けて努力しているのに、自分はここで何をしているんだろう
体調回復を訴える相手も、体調に配慮した仕事を考えてくれる相手もいないことに気づいてしまったんです。
また体調が悪くなってしまい、リワークに行く回数も減ってしまいました。
「40代でうつ病で無職になってしまった自分は、再就職なんて出来るんだろうか」
市役所で就労移行支援について教えてもらう
なかなか良くならない病状から、障害者雇用も考えるようになっていました。また、障害福祉手帳の存在を知り申請することにしました。
書類の提出に市役所の福祉課を訪れたとき、「就労移行支援」について教えてもらいました。
就労移行支援とは
就労を希望する障害者であって、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれるものにつき、生産活動、職場体験その他の活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練、求職活動に関する支援、その適性に応じた職場の開拓、就職後における職場への定着のために必要な相談その他の必要な支援を行います。
厚生労働省ホームページ「障害福祉サービスの内容」13.就労移行支援についてから引用
再就職を目的とする「就労移行支援」の方が、自分には合っている気がしました。また、リワークに通う交通費の負担がつらかった経験から、近所で通える事業所を探すことにしました。
就労移行支援事業所の見学をして通所を決める
私の自宅の近くには、全部で4か所ほど見つかりました。これはインターネットで調べた事業所で多くは株式会社が運営していました。
それ以外にも非営利法人が運営している事業所もあり、こちらは2か所見つかりました。
それぞれ資料を請求したり、実際に見学させてもらったりしました。いろいろと考えて、私は「株式会社ココルポート」が運営する就労移行支援事業所に通所することに決めました。
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事業所ごとに特徴が違いました。いくつか見学に行って、自分に合う・合わないを考えることをおすすめします。
>>【関連記事】就労移行支援事業所を見学する時のチェックポイントはこちら
就労移行支援に通うメリット
就労移行支援に通うメリットについて、職歴あり・41歳無職で再就職を目指しているという視点から考えました。
- 職場に近い環境で一日を過ごせる
- 自分について理解を深められる
- 一般就労と障害者雇用の比較検討が出来る
職場に近い環境で一日を過ごせる
10〜20名くらいの利用者さんで一つのフロアで活動をします。パソコンで作業をしたり、グループディスカッションや講義を受けることもあります。
私は退職してから約半年ほとんど外出しませんでした。そのため、体力も落ちていましたし、家族以外の人との交流なんて全くありませんでした。
何よりもまず自分に必要なのは、家以外の場所で一日を過ごすことだと考えました。実際に、職場に近い環境で一日を過ごすことが社会復帰への一歩目になっています。
時間の過ごし方は比較的自由で、事業所のプログラムに参加することもあれば、読書や試験勉強などをする日もあります。
自分について理解を深められる
私は、「完璧主義とうまく付き合う」「適度に力を抜く」「折れてしまった自信を再度取り戻す」といった自己理解と目標設定が出来ました。
メンタルヘルスやセルフケアについての講義を受けたり、事業所スタッフの方から面談(カウンセリングに近い)をしたりして、自分について理解を深めることが出来ます。
例えば講義では、よく知られている認知行動療法や交流分析、アサーションなどがありました。
就労移行支援での面談は、再就職という目標に向けて病状を理解しながらどうするか、という視点で相談に乗ってくれます。病院等でのカウンセリングは、臨床心理士など専門家によるもので病状を良くする目的なので、少し違いがありました。
一般就労と障害者雇用の比較検討が出来る
一般応募をクローズ就労、障害者枠への応募をオープン就労を目指すという言い方をしますが、これは企業へ障害があることを申告するかどうかの違いです。一般就労(クローズ)、障害者雇用(オープン)という言い方もします。
「就労移行支援に通うこと=障害者雇用の選択肢しかない」ではありません。クローズで内定をもらった方もいます。
私は当初、「障害者枠でも何でも良いのですぐ再就職先を見つけたい」と焦っていたのですが、今は、「就労移行支援に通いながら自分への理解を深め、どちらにするかをじっくり考える」と考えています。
40代が就労移行支援には期待できないこと
就職に有利な新たなスキルを身につける
Eラーニングで、PCスキル・プログラミング・Webデザインなどのスキルを身につけることも出来ます。
しかし年齢を考えると、新しいスキルを就職のために身につけるというのは現実的では無いかなと判断しました。
とはいえ自己研鑽や知見を広げる目的で勉強するのはおすすめです。初級者向けにわかりやすい講座が多いです。
良い就職先を紹介してもらう
就労移行支援は就職先を紹介してくれません。ハローワークや就職サイトに登録をして探すことになります。
私はまだ就職活動を始める段階ではありませんが、就職先は自分で探す必要があります。
心理カウンセリングは受けられない
心理士によるカウンセリングは受けられません。私の通っている就労移行支援には心理士の方はいませんでした。事業所によってはいるかもしれないので、見学時に聞いてみることをおすすめします。
栄養士の資格を持っている方がいて、食事習慣についての相談やアドバイスを受けることは出来ています。
40代で就労移行支援に行く価値はあるか
結論として、私は41歳ですが就労移行支援に行く価値はあると判断しました。自力で再就職に向けて活動を続ける自信がなかったからです。
40代には必要がないプログラムもそれなりにあります。就労経験が無いかた向けのプログラムだからです。そういった時間は、本を読んだり資格勉強をしたり、比較的自分で計画して過ごすことが出来ています。
社会復帰へ向けてのリハビリという位置づけで利用する価値があります。
最後に就労移行支援に通って良かった事をまとめましたので、参考にしてください。
就労移行支援に通って良かった事
- 職場に近い環境で一日を過ごし、着実に体力が回復してきている
- 家族、主治医以外の人との交流を再開することが出来た
- 自己分析と自己理解が出来てきた
- 一般就労と障害者雇用のメリット・デメリットがわかってきた
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
下記の記事では、就労移行支援を利用するまでの手続きなどをまとめていますので参考にしてください。
