あなたは就労移行支援の利用を検討されていますか?
この記事は、「就労移行支援の利用を始めるまでの流れ」を理解してもらえるように、私の体験をもとにまとめました。
私はうつ病で仕事を退職して9ヶ月後、就労移行支援事業所に通い始めました。
就労移行支援サービスを利用にあたっては、いろいろな手続きが必要です。私は市役所の障害福祉課に問合せすることから始めたのですが、いろいろと遠回りをしたと感じています。
この記事を読むことで、利用を検討しているかたやこれから手続きを行うかたの負担が、少しでも軽くなれば嬉しいです。
>>うつ病で無職になった41歳が、就労移行支援に行こうと思った理由はコチラ
就労移行支援を利用するときに関わる組織
前提ですが、主治医と相談して体調が安定してきてからにしましょうね
体調が落ち着いて、再就職に向けて活動できるようになったら下の3つの組織を通じて、就労移行支援を利用することになります。
就労移行支援利用時の関連組織
- 就労移行支援事業所
- 市役所の障害福祉課
- 相談支援事業所
順番にどのような役割りがあるのかを説明します。
就労移行支援事業所
再就職に向けた活動をする事業所になります。大きく分けて3つのサポートがあります。
就労移行支援で出来ること
- 体調管理、メンタルヘルス(日々の振り返り面談や、プログラムを通しての自己分析と自己理解)
- ストレス発散(ウォーキング、ボランティア活動、レクレーションなど)
- 就職へのサポート(履歴書の添削、模擬面接、ビジネスマナー、模擬就労、スキル習得など)
これらのサポートを活用して、社会復帰を目指していきます。体調やメンタル不調に対してのケアをしてもらいながら、日々の活動をします。
病院のデイケアでの活動に、就職のサポートが増えているイメージです
市役所の障害福祉課
市役所の障害福祉課には就労移行支援を利用するための申請をします。
「障害支援区分認定調査」を受けて認定されると、就労移行支援の利用許可である「受給者証」をもらいます。
障害支援区分認定調査
障害支援区分認定調査では、下記のような内容を市役所の担当のかたから確認を受けます。
認定調査で聞かれたこと
- 本人と家族の情報
- 現在受けている、障害等級や福祉サービス
- 生活環境(病状や、起床から就寝までどんなことをしているか等)
- 本人の心身の状況(移動・動作、日常生活、行動障害、医療の状況)
この調査結果により、「障害支援区分」の認定を受けます。
障害全般を扱う調査のため、質問数が多いです。精神疾患以外の質問もありました。
支給決定と受給者証
障害支援区分認定調査のあと、「サービス等利用計画案」の提出を求められます。どこの就労移行支援サービスに通うか、サービスを利用してどうなっていきたいかなどの目標などを書く書類です。
サービス利用計画案は誰が書く?
サービス等利用計画案の作成は、下記の2つの選択肢があります。
- 相談支援事業所に依頼する
- 本人や家族で作成する(セルフプラン)
相談支援事業所については次で説明します。
先ほどの障害支援区分とサービス等利用計画案などから、市役所が支給決定の判断を行います。支給決定されると受給者証が交付されます。
相談支援事業所
サービス申請前の相談や手続きの支援などを行ってくれる事業所です。税金などで運営されているため、無料で利用できます。
また、先ほど出てきた「セルフプラン」で申請する場合は、相談支援事業所の利用は不要になります。
相談支援事業所を利用している立場から、良い点と悪い点をまとめました
第三者の立場でサポートしてもらえる
相談支援事業所は、市役所と就労移行支援事業所の間に入ってくれる組織です。中立の立場でサポートしてくれます。
例えば、就労移行支援事業所の不満な点は無いかを確認してくれたり、忙しい市役所に受給者証の交付の催促をしてくれたりしました。
また、2ヶ月に一回程度の「モニタリング」面談があり、サービス等利用計画の見直しを市役所へ提出してくれます。
地域によっては予約でいっぱい
私の住んでいる市では、予約が2ヶ月待ちと言われました。待つだけで2ヶ月は時間がもったいないです。
就労移行支援事業所の見学時にそのことを相談したところ、市外の相談支援事業所を紹介してもらうことが出来ました。
「困っていることは、とにかく誰かに相談する」というのが大事だと実感しました。
就労移行支援の利用開始までの流れ
まずは就労移行支援事業所の候補を調べる
事業所の規模は大小さまざまです。まずは自分の通える範囲にどんな就労移行支援事業所があるか、探してみてください。
また事業所ごとに特徴が違うので、いくつか候補をあげておくと良いです。
資料請求や見学に行って事業所を決める
事業所ごとの特徴を知る方法はいくつかあります。
- インターネット検索
- 資料を請求する
- 実際に見学に行く
インターネットである程度候補が絞れたら、資料の請求や実際に見学に行ってみることをおすすめします。
特に見学に行くことは、今後自分が再就職に向けての活動拠点となる事業所がどんなところなのか、を把握するためには必須です。
事業所の雰囲気(スタッフ・利用者・オフィスの様子)を肌で感じたり、スタッフの専門分野など聞いてみましょう。
私が実際に見学に行ったときにチェックしたポイントをまとめましたので、よかったら見てください。
>>就労移行支援事業所を見学する時のチェックポイント|41歳うつ病無職からのアドバイスはこちら
相談支援事業所を決める
どの就労移行支援事業所を利用したいかが決まったら、次は市役所への申請になります。申請時に必要な書類には、「サービス等利用計画案」がありますが、これを書いてくれるのが相談支援事業所です。
相談支援事業所の2つの役割
- サービス利用支援:申請時のサポート
- 継続サービス利用支援:利用開始後のサポート
相談支援事業所を利用しないで、セルフプラン(自分でサービス等利用計画案を書く)という申請方法もあります。
利用開始後にもサポートが受けられるのがメリットです
市役所の障害支援区分認定調査を受ける
市役所の障害福祉課への利用意思の説明と認定調査になります。私は、相談支援事業所の担当のかたと一緒に受けました。
認定調査で聞かれたこと
- 本人と家族の情報
- 現在受けている、障害等級や福祉サービス
- 生活環境(病状や、起床から就寝までどんなことをしているか等)
- 本人の心身の状況(移動・動作、日常生活、行動障害、医療の状況)
利用開始日の決定と受給者証交付
認定調査以降の対応は、相談支援事業所が行ってくれます。
- サービス等利用計画案の作成
- 市役所への計画案提出
サービス等利用計画案は作成後に説明してくれます。もちろん自分の印鑑を押す場所もありますので安心です。
すべての書類提出が終わり、支給決定の連絡を待ちます。無事に受給者証が交付されると利用開始となります。(受給者証は別途送付の場合もあります)
まとめ
今回まとめた手順で手続きをすすめると良いと思います。私は相談支援事業所の予約が取れず、「セルフプラン」の申請を市役所から進められ、一度あきらめています。
最後に利用開始までの流れをまとめます。
利用開始までの流れ
- 就労移行支援事業所の候補を決める
- 実際に見学に行く
- 相談支援事業所を決める
- 市役所に申請、認定調査を受ける
- サービス等利用計画案を提出する
- 支給決定、受給者証の交付
最後まで読んでいただいてありがとうございました。